はじめまして。
アートセラピーの講師の講師をしている野川奈美恵と申します。
ひとりひとりの原石を輝かせるをテーマに、〇児の母として、英語講師として、アートセラピーの講師、個人向けのコーチとして活動をしております。
源輝アートについて
- GCS認定プロフェッショナルコーチ
- GCS認定講師
- 産業心理カウンセラー
- 一般財団法人生涯学習開発財団アートセラピスト
- J-Shine小学校英語準認定指導者
略歴
- GEヘルスケアにおいて営業、教育、広報等に従事。専門は人材育成。
- スキル研修やチームビルディングのトレーナーとして1000名へトレーニングを実施する。
- 傍ら、本社見学コーディネーターとして国内外の重要顧客6000名をお迎えしてホスピタリティを実践。
- Ernst and Young 監査法人において育成部に所属。人材教育の専門家としてスキル研修実践
- 選抜型次世代リーダー150名へコーチングを実践した。
- コーチングスクール講師として子ども英語教室の主宰として、社会人と子供たちの可能性と向き合っている。
- アートセラピーの手法をとりいれながらのコーチングも実践する。
コーチング歴
- 2015年 クラスA受講開始
- 2016年 認定コーチ取得
- 2017年~2019年 社内コーチとしてパーソナルコーチング実施。マネージャー対象コーチング講師。
- 2019年 池袋校で認定講師としてクラスを開始。
- 2020年 プロフェッショナルコーチ認定。
自分をあきらめない
人財育成の長い経験からコーチングを学び、人への支援がさらに充実している野川奈美恵さん。自分自身も、やらずに人生を終えたくないと、ついに夢を実現したそうです。
コーチングだけはやらないと思い続けて
野川さん、お久しぶりです。東神田校を卒業されて今池袋校の講師ですね。2019年には会社をやめて独立したということで、今日は近況も含めて活動のことをお聞きしたいと思います。
野川:池袋校の講師となって1年です。やればやるほどコーチングがしっくりきています。講師としてテキストをじっくり読み返して自分の言葉で伝える。この繰り返しが良いのでしょうね。話すたびに人生の断片がテキストと紐づいてくる感じです。自己開示も躊躇がありません、「同じようなことがありました」「私もつらかったです」など、多々ありますね。自分の人生に起きたことには意味があるのだと言葉にしながら振り返っています。
学びに来られた皆さんも、どんなきっかけでここに来られているかをお話してくださいます。誰かのお話が誰かの勇気づけになったり、私のダメダメ話もお役にたったりと、クラスに共感の輪が広がっています。
―いい雰囲気のクラスなんですね。その前の会社員時代からトレーニングを担当していたそうですが、どんなことをしていたのですか?
野川:営業のスキルトレーニングを担当していました。営業というと売ろうとしがちですが、売れる営業は、売り込まない。売るのは商品ではなくあなた自身。相手の心を打ってあなたを信頼していただくというトレーニングでした。
信頼関係を築くことは大事なテーマで、担当できることがうれしくて取り組んでいました。人の内面に関わることだったからでしょうか。いざというときにあなたに相談をしてもらえる関係になっているか。そうなるために日ごろからどんなことを心がけてどんな行動をとるのかと問いかけてワークを行っていました。
GCSでいうならコーチングピラミッド、特に自己基盤にあたるところでしょうか。
社内で7年取り組んだあとは、コーポレート全体に信頼関係構築のトレーニングを行うようになりました。業種の幅が広がっても営業の肝は変わりません。自分を見つめることでした。
お客さんとどんな関係を築きたいか?、自分の良さは?、もう少し頑張れるのはどんなところか?新たな気づきが起きる瞬間がたまらなく好きでした。
―20年間も続けていたのは、人に関わることがお好きだからって感じます。
野川:はい、好きです。人の内面に興味がありましてこの人の原動力はなんだろうと。その人を動かすエネルギー源を知りたいと常に思っています。
コーチングでもその方の価値観を出していただこうと自己基盤にアプローチしています。
会社勤めの2社目は人材育成の専門家として採用していただきました、ここでコーチングと出会いました。
―そのお仕事をしていて、どんなところでコーチングが必要と感じたのですか?
野川:実は、コーチングを学ぶか迷っていました。他のトレーニング、例えばプレゼンテーションやファシリテーションなどは、トレーニングを受けたら話がうまくなった。資料がわかりやすくなったとその効果が目に見えてわかります。でもコーチングは見えない。ただ話しているだけのようでよくわからず、コーチングだけはちょっとな…と。
関わるきっかけは、尊敬していた前職での先輩が会社をお辞めになりコーチの資格をとって、私にクライアントをやってもらえないかと声がかかったことです。クライアントとしてコーチングを1年受けました。受けたことのない質問がたくさんあったことと、考えるとイメージがたくさん浮かんできて楽しく話したことを覚えています。
―1年間クライアントをやって何か変化は起きましたか?
野川:それでも、コーチングはわからずじまいでした。それでとうとう自分で解明しようという気持ちになりGCSの門を叩きました。でも、体験クラスを受けても附に落ちずクラスAに進んだところで「あっ」て。「コーチングって人を応援するんだ!」。それまではスポーツのコーチを思い浮かべていて、もし野球なら、素振りのフォームがおかしいから直してくださいなどのアドバイスをするのがコーチだと思っていました。アドバイスしないならできる。だったらやりたい。やります!に変わりました。そして一気にB、Cを東神田校で受けました。これは大急ぎで学ばねばと10時間のクラスを受講しました。
―そうでしたね。クラスAの途中で「あっ」って思って、気持ちが変わったのはどんなことがあったからですか?
野川:後半の途中でした、「これからコーチングをどんなふうに使いますか」の講師の問いに「精一杯相手を支援して応援する」と答えた方がいらして、具体的に何をするか聞いているうちにテキストの内容とつながりました。クラスの後半でしたから、「あ、しまった。前半ちゃんと聞いてないじゃない」って。そこから態度も変わったかもしれません(笑)いきなり前のめりになりました。
―そのタイミングで気づいたわけですね。会社でどんなふうに活用しましたか?
野川:2016年に認定コーチとなってからは、社内コーチとして経営幹部候補生150名へのコーチングと、マネージャーを対象としたコーチングトレーニングを担当していました。ここで幹部候補生の変わっていく姿を目の当たりにしました。目に見えないと思っていたコーチングが見えたんです、うれしかったですね。自分の声がけがこんなに役にたつことがうれしかったです。そしてその効果を確信できたことも本当に良かった、コーチングをやっていこうと思えました。
今は「コーチングの効果は見えます。クライアントが見せてくれます」と自信を持って受講生に伝えています。
本当にやりたいのは人の「キラーン」を見ること
―長い会社員生活にピリオドを打とうと決意したのはどうして?
野川:コーチングを学んだことが大きかったです。セルフコーチングですね。
「人生最期のときにどんなことを言いたいですか。もしやらなかったことで後悔があるとしたらどんなことでしょうか。」自然に問いかけていたと思います。出てきたのは、「英語の先生」。やらなかったら絶対後悔すると思いました。10年前にECC認定の英語教授法を学んでいたのですが、当時はまだまだ企業人生と子育ての真っ最中、英語の先生は遠くて届かない夢でした。あきらめなくてはならないかもしれない、でもいつかなりたいという思いは小さな灯火のように心の奥にありました。そして今夢がかなって子どもの英会話教室を開いています。何十年ぶりに中学校の英語の恩師に手紙を書きました。「英語の先生になりました。ようやくなりました」と。大変喜んでくださいました。
人に伝えることで何が一番うれしいって「よくわかった」と言ってもらえる瞬間です。いっぱい聞きたいですね。そのとき子どもも大人も目がキラって光るんです。
普段と違う静かな環境で仕事や家庭のことを少し忘れてもらうと、「今まで考えることがなかった。自分はこんなことをやりたいのかもしれない」とか「こんなふうに考える時間がほしい」とおっしゃる方がいらっしゃいます。このとき「キラーン」って光を発しています。顔が上がってパッと明るくなります。そういうのをたくさん見たいです。
―「キラーン」をたくさん見られるっていいですね。今は人の支援をたくさんしているわけですが、先ほどおっしゃっていた、「会社員時代のダメダメな私」というのはどんな私のことですか?
野川:2つあります。20年も前ですが、トレーニングで会う人たちの、つらいという感情をもらって体調を崩すことがありました。その人たちを助けたくてアートセラピーを学びました。アートセラピーは無意識層にアートで働きかけるもので、インナージャーニー(内なる旅)とも呼ばれます。紙面に表現された気づいていない感情と向き合いながら自己理解を深めるもので、自分の価値観がひっくり返った1年でした。もしかしたら、親が思ういい子ども、先生が思ういい生徒、会社が思ういい従業員でいようと無意識のうちに決めたのかもしれない、本当はイヤだと言いたかったのかもしれない等々、深い気づきがありました。
セラピーを続けると、誰しも幼少期の家族関係を思いおこすようになります。私は姉だからと言いたいことを我慢していたようです。つらい、悲しい、怖いなどの否定的な感情はないと思っていましたが実はあることにも気づいていきました。アートセラピーを通して人間らしい感情を取り戻し、人を救うつもりが自分が救われました。
もう一つはコーチングに通じることです、子どもに軽度の発達障害があり苦しんだ数年がありました。企業人として頑張っていた私に青天の霹靂でした。きっかけは、心配した保育園から「小学校はちょっと無理じゃないか」とお話されたことでした。発達障害もいろいろ分類があって原因がわかるまでに時間がかかりました。子どもをコミュニケーションの訓練学校へ連れて行きましたが、出口のない霧の中をどこまでも歩いているようでつらかったですね。「もっと早く気づいてあげればよかった」、「いつも仕事を優先していた」とポロポロ話す私を、ただただ「うんうん」ってうなずいて聴いてくださったのが施設長です。
「今日ここに連れてきているじゃないですか、おかあさん。よくがんばっていらっしゃいます」のひとことに毎回どれだけ救われたことか。思えばこれが傾聴の原点、身をもって体感しました。子どもはコミュニケーションの方法を学び、私は心に寄り添っていただくことで少しずつ自分を認めていきました。
今の私があるのはこの2つのことがあったからですね。
――良い出会いでしたね。コーチングを知ってからご自身のコミュニケーションに変化はありましたか?
野川:落ち着いた気持ちで、自分を客観的にとらえることができるようになりました。
コーチングを学ぶ前はややもすると感情にくるまって、感情と自分が同化することがありました。コーチングを知ってからは、自分を見ているもう1人の自分がいることで一時的な感情に飲み込まれなくなりました。自分はこういうことを感じている。それは何から起きているか。本当はどうしたいかと自然に問いかけています。
家族との時間も変化しました。本当はもっとゆったりとやさしい言葉をかけたかった、謝りたかったという家族への思いに気づきました。考えることでアタマをいっぱいにして、いつの間にか感じることをやめてしまったのでしょう。今は目の前にあるものをそのまま受け取って感じる日々です。家庭菜園をながめて、ここに芽が出たね。こんなところにこんなものが育っているねと家族と話す「いまここ」の時間におだやかさを感じています。
―一生懸命に立ち向かう野川さんが、少しゆるくなって楽しんでいるように見えます。最後に読んでくださっている方にメッセージをいただけますか。
野川:「自分をあきらめない」。
だれもがだれかの役に立つ、輝く原石を持っています。手に取ってながめ、磨いていきましょう。そして自分の夢を実現させましょう。夢をあきらめず自分をあきらめない。
いつか実現するはずのその日へ向かって、今日この1歩です。